こんにちは、スモールジムYell代表トレーナーの近藤です。
今日は、疲れたときに「酸っぱいものを食べると良い」という昔からのアドバイスについてお話しします。
このアドバイス自体は完全に間違ってはいませんが、効果としてはそれほど大きくないことが分かっています。
酸っぱいものに多く含まれている栄養素のひとつが「クエン酸」です。レモンやグレープフルーツなどの柑橘類や、梅干しに豊富に含まれており、クエン酸はよく「疲労回復に役立つ」として知られています。
これは、かつて疲労の原因は「乳酸」であり、クエン酸がこの乳酸を分解して疲労を軽減するという説が一般的だったからです。この考え方から、今でも「クエン酸＝疲労回復」と認識されていることが多いのではないでしょうか。
しかし、最近の研究では乳酸が疲労の直接的な原因ではないことが明らかになっています。
したがって、かつての「クエン酸が乳酸を分解して疲労を取る」という説は、現在では矛盾していることが分かりました。
とはいえ、クエン酸が無意味なわけではありません。
クエン酸は、体内のエネルギーを生み出す「クエン酸回路（TCA回路）」で代謝され、運動時に必要なエネルギーを生成します。
このエネルギー生成が結果的に疲労回復につながるため、間接的にはクエン酸が疲労軽減に役立つとされています。
ですので、疲労回復を目的にする場合は、糖質やたんぱく質、ビタミンをバランスよく摂ることが大切であり、その上で「＋α」としてクエン酸を取り入れるのが良いでしょう。
疲労対策は単一の成分に頼らず、栄養全体のバランスを意識することが重要です。
